『本帰国時期について』
帰国時期によって、子どもの学習環境が大きく変わることをご存じですか?
毎年受験生を送り出していると、どのタイミングで日本に帰国するか非常に大切であるなと常々感じます。
例えば、高校受験の場合、
①中2の終わりに本帰国する場合
②中3の12月頃から一時帰国する場合
③年明けの2月頃から一時帰国する場合
など、いくつかの時期が考えられますよね。
特に、中3になるタイミングで帰国される方は多いことでしょう。なるべく早めに日本に戻って勉強の環境を整えたいと考え、お父さんのみ現地に残して、お母さんと子どもが先に帰国する場合です。
しかし、実は受験直前まで海外に残っていた方が結果的に受験で成功することがあります。特に、シンガポールなどのアジアの主要な都市など日本人学校以外の学習塾や教育機関が発達している地域の場合は、日本に帰って受験勉強をするよりも最後まで現地にいた方が勉強に集中できケースが多くあります。
では、受験学年で帰国する場合、どのような問題があるのでしょうか。
まず、内申点の問題。当然ですが、中3の一学期に帰国すると、一学期の様子や成績で内申がつけられます。
しかし、多くの場合、以前の学校で内申がALL5の生徒でも、厳しめにつけられてしまいます。なぜなら、新しい学校の先生も、様子をみて無難に成績をつけてしまうことが多いから。生活に慣れ、周りも十分に実力が分かってくる後期では、実力通りに正当に評価されることが増えてきます。このように、前期から高い内申をとり続けるのはなかなか大変なのです。
当然です。生徒にとって、新しい学校で全く一から学校になじみ、高い成績を上げるのは、大変な労力とエネルギーが必要ですから。容易に想像できますよね。何事もロケットの打ち上げと同じで、はじめは大変なエネルギーが必要なのです。
一方、軌道に乗っている環境で、さらに力を入れた方が結果が出やすいといえます。今後、もし海外に残れる環境で、加えて学校以外の教育機関が充実している場合、現地に残って勉強したほうが良い結果につながるでしょう。
それに、受験のことだけに限らず、思春期になるべく長く海外にいることは、良い経験になります。
もちろん、学習塾や教育機関が充実していない地区の場合、早めに日本に本帰国される方が増えています。そのような地域の場合、受験学年だけごっそり少なくなっているケースなども。
いずれにしても、現在の受験や今後を見据えて、どのような学習環境の方が生徒にプラスになるのか考えておくといいですよ。
出典: 海外教育日記
帰国生の編入制度について。
帰国入試は、実は、年中やっています。(編入と違い、入試は基本的に4月入学)
といっても、10月~12月が入試のピークで、面接・作文・学力審査(中学受験だと算国のみ)という学校が多いですね。
ただ、陰に隠れて、ひっそりと帰国生対象の“編入”という入学の方法が存在します。
帰国編入とは、、、志望校に欠員が出た場合に主に募集する入学制度なんですが、
あまり知られていません。
それもそう。
制度の根っこが欠員調整なので、若干名しか受け入れをしていません。
※卒業時期の違うインター生の受け入れをしたいというのも理由の一つです。
そして募集学年は、中2進級時や高2進級時が多いことが特徴的。
なぜかって?
中1や高1は、そもそも欠員が出にくいですし、1学年目だと、帰国入試や一般入試で入った生徒に少なからず与えてしまう不公平感を配慮してのことでしょう。
ただ、帰国入試や一般入試だと、入学がものすごく難しいのに、編入だとさらっと入れた、なんてことがあるので、一度学校に問い合わせてみるのもいいでしょう。
そして帰国入試をやっている学校は、転校していく生徒がけっこういます。なぜなら、一旦日本に帰国したけど、数年でまた海外勤務の辞令が下りたという家庭も多いですからね。
そこで、ちょっと寄り道、
大切な学校選びの道しるべ!
もし私たちが、志望校入学後また海外に転勤することになったとき、復学できるかどうかって、実は大事な学校選びの基準となります。学校選びでは、先に確認しておいたほうがいいですよ。その際のポイントは、過去復学したケースがあるのか、休学する場合授業料を払う必要があるのか、これからいく海外の学校の単位を復学後認定されるかなど、もしかしたら!に、備えておきましょう。
ここの判断については、結構難しいですので、また記事にしますね。
~まとめ~
○“編入”とは、主に欠員調整を行うための募集制度。
○情報はあまりオープンにされないので志望校に直接問い合わせてみるのが吉。
○自分が転校する際、また復学できる制度かは学校選びの大切なポイント。
入るだけでなく、入ったあとのことも考えた学校選びをしましょう!
出典: 海外教育日記